お母さんのパウンドケーキ




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私の母はとんでもなく料理が上手い人で(というかプロだった)、しかも家庭料理でも手間暇を惜しまない料理の仕方をするので、娘としては「おふくろの味」の再現が果てしなく難しいわけです。同じ材料を使ったとしても、お出汁のひき方が違ったり、お肉の筋の切り方が違ったり、漬け込み時間が違ったりで全く同じ味にはならないのです。料理のハードルを上げてくれてありがとう、と嫌味を言ったところ、「でもそばで見てたなら作り方わかるでしょー」と言われる。いやぁ、見ていただけで覚えろとかどこの板前修業中ですか。できないよ。

情けない話なのですが、大学に出て一人暮らしを始めた時分にはスーパーから母親に電話して料理の調理法を聞いたりしていましたし、未だにどうやっても一緒の味にできないときはメールして調理方法について細かい質問をしたりします。母は私にとって一番の料理の師匠です。

結婚する直前、有給をとって実家に1週間ほど帰ったことがありました。目的は母の料理のレシピを譲り受けること。母は手順や混ぜ具合、火の通り具合などは経験、で済ませる人ですが、意外に材料や分量だけはメモをしていたりするので、それをコピーしに実家に戻ったのです。
掌サイズの小さなメモ帳にランダムに書かれたレシピをパソコンにタイプしていくと、「ああ、こういうものも作ってもらったな」と懐かしくなったりして、なかなかにいい作業でした。最後に母親が「ま、今作ってる料理はそのメモからかなりアレンジしてるけどねー」とさえ言わなければ。
じゃこのメモ意味ないじゃんママン!!!

とはいえ製菓衛生師の資格も持つ母は必ずお菓子だけは分量きっちりに作っていました。なのでお菓子のレシピだけは……正しいと信じたい……。

今日はそのメモを見直していてふと見つけた、パウンドケーキのレシピを再現してみました。
レシピっていっても、こう書かれてだけだけど。

バター 150g
砂糖 250g
卵 5個
牛乳 大さじ6
ラム酒 小さじ2杯
薄力粉 300g

レシピっていうか分量メモだよね、これね。確か母はハンドミキサーでバターを練って、砂糖、卵……と分量の描かれている順に入れていってたと思うのですが、ハンドミキサーがないので、卵を泡立てて、砂糖、バターは溶かしバターにしたものを入れて作ることにします。うん、こういう違いが味の違いを生むというのはわかってるんだけど、ミキサーなしにバターを練る元気はないんだもの。

で、出来上がり。
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思ったより全然膨らんで、パウンドケーキというよりはスポンジケーキのような仕上がりに。しっとりとはなったけど、どっしりとはならなかったぜ!
母のはもっと生地がみっちりしていると思うんだー。今度電話した時にコツを聞いてみよう(多分ハンドミキサー買えと言われます)

でも旦那はこれくらいの軽いのが好きみたいで、これよりどっしりすると嫌かな、って言ってました。じゃ、この程度がいいのかな。
料理のことを相談するたびに母がいつもあなたの味を作っていきなさい、というけれど、こうやって試行錯誤を続けて、旦那の好きな味を探して、私の家の味が生まれていくのかな、としみじみする日曜日の午後でした。

次はもちっとラム酒きかせよう。




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by akokv | 2015-03-16 06:20 | 料理 | Comments(2)
Commented by 登志子 at 2015-03-21 23:24 x
いい日記ですねぇ~~~~
しみじみと読んでて、
おしまいの数行で・・・・じんわりと泣けました。

お母さまは、遠くに住んでるAKOさんだからこそ「あなたの味を」とおっしゃっるのでしょうね。
なんとなく、お母さまになりきってしまい・・・ちょっと切なくなりました。
Commented by akokv at 2015-03-21 23:53
登志子さんみたいにこまめに料理のメモを取ってくれている人だったらよかったのですが(笑)母の味は材料と調味料を推理しながら作ってます。

登志子さんの娘さん達は直接教えてもらえていていいなあ、とちょっと羨ましいです……。
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